先生、好きって言って。
◆
私がグラウンドへ戻ってきた時にはすでに次の競技が始まっていた。
あぁ、結局お題はなんだったのかな?
私を選ぶようなお題……
んー、考えても思い浮かばないな。
《学年対抗リレーに出る生徒の方は入場口まで集まってください。繰り返します───》
あ、もうそろそろ出番か。
私は入場口まで向かった。
そして入場口には、
「あ、」
「神木くん…。」
そういえば、神木くんも出るって言ってた。
今は、かなり気まずい。
「らん。」
「は、はい…!?」
「そう呼んでもいい?」
あー、びっくりした。
急に下の名前呼ぶもんだから何かと思っちゃった。
「もちろん!じゃあ私は何て呼べばいい?」
「真広って呼んで。」
「わかった。じゃあ、まひろ。リレー頑張ろうね。」
「頑張ろうね、蘭。」