先生、好きって言って。
そして先生は急に真剣な顔をした。
『…お前が好きなのは誰だよ。』
「……え?」
そ、そんなの、先生に決まってる。
「それは…」
『なーんてな。はい、治療完了。とりあえずここで休んどけ。閉会式終わったら成瀬が飛んでくると思うから。』
「え、あ、はい。手当てしてくれてありがとうございました。」
『ん。』
と、先生は私に背中を向けたまま右手を上げた。
先生、何で聞いてくれなかったの。
絶対私が何て言おうとしたか知っている。
先生って言うの分かってて遮ったんだろうな。
やっぱり先生との恋は叶いそうにないや。
そして、家に帰ってから両親にスペインに行くと伝えた。