先生、好きって言って。
『古村。』
え、
先生、何でこんなところに…。
「ど、どうしたんですか?」
と、聞くと先生は1輪の薔薇を私に向け、
『おめでとう。とても、その…』
先生は何故か黙り込んでしまった。
その、の先が気になるのに。
『……き、綺麗だった。』
……っ!
先生が珍しく、顔を真っ赤にしている。
何で、そんな顔を赤くしてまで言ってくれるの。
単純だから期待しちゃう。
「…ありがとうございます。じゃあ私着替えますので。」
と、私は照れた顔を見せたくなくてすぐ先生に背中を向けた。
カシャッ
ん?今シャッターの音が聞こえたような…、
パッと後ろを振り返ると、
カシャッ
『ごめん。思わず撮った。』
「せ、先生!何で撮るんですか〜!今の振り向いた時に撮った写真絶対消して下さいよ!」
絶対変な顔になったもん。
『はいはい、消しとくから。ほら、早く着替えて教室に来いよ。皆待ってるから。』
「わかりましたよ〜。」
何で写真なんて撮ったんだろう。
この疑問はずっと消えることは無かった。