先生、好きって言って。
*
資料室前。
きっと先生はこの部屋にいる。
コンコンコンっ
ノックすると、
『どーぞ。』と聞こえた。
「失礼します。」
『っうわ、ビックリした。』
まさか私が来るなんて思ってなかったっていう顔をしている。
「先生なんかお久しぶりですね。」
『あ、あぁ。で、何しにきた?』
私は背中に隠していたチョコを出した。
「…っはい、これ。本命チョコです。手紙もありますので読んでくださいね。ではっ!」
顔を見られたくなくて私は先生の反応を見る前に資料室を出た。
◇
先生へ
大好きです。
今まで迷惑ばかりかけて、
先生を困らせてごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
また会える日まで。
古村 蘭。