先生、好きって言って。
ガラガラっ
勢いよく保健室の扉が開いた。
『おい古村。』
「あ、先生。」
『あ、じゃねぇよ。何で風邪だって言わなかったんだよ。今日はもう早退だからな。』
「うぅ……だって、心配かけたくなかったんです。」
先生、怒ってる……。
私の事、見損なったかな。
『次から体調悪い時はすぐ俺を頼れ。』
あぁ、もう。
「……先生。」
すき。
『ん?なに?』
「…先生は優しいですね。次からは気をつけます。」
『ん。じゃあ荷物取ってくるから待っとけ。』
「ありがとうございます。」
どうやら、早退するみたいだ。
嬉しいような、嬉しくないような…。
だって、先生との時間がいつもより少なくなるのは嫌だ。いつも放課後は先生の所で勉強しているのに。
まぁ、あと1時間残っている授業を受けなくていいのはラッキーだな。