先生、好きって言って。










「すみません、坂元先生はいらっしゃいますか?」



「あ、坂元先生ならいつもの所にいると思うよ。」


と、英語の先生が教えてくれた。



「ありがとうございます。」




私は職員室を出て先生がいつもいる場所、図書室へと向かった。










ガラガラ





図書室にはいつも人がいない。





でも、先生はきっと一番奥にいる。




そして、一番奥へと行くと、





いた。





「先生。」





『あぁ、古村。』





「先生、この間は送ってくれてありがとうございました。無事に風邪は治りました。」





『よかったな。成瀬のお陰だな。』




「まぁ、それはありますが…。ところで、先生は大丈夫なんですか?」




『あぁ、大丈夫。』




すごく棒読み感がある。
きっと大丈夫ではないんだろうな。




「私のせいですよね、ごめんなさい。」




『ばかか。俺の体調管理が出来てなかったからだ。余計な事考えんな。』



「ぜひ、私に看病させ……」




『結構。ほら、早く行けば。』




うーん。



いつにも増して冷たい。





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