先生、好きって言って。
*
私は先生に連れられて、今、国語専用の資料室にいる。
あれから先生は何も言わず終始無言だった。
「…あの、先生?」
『ごめんな、野崎がお前に余計な事言った。』
「ど、どうしてそれを?」
『お前らが話してるの見てたから。野崎に聞いたら付き合ってた事話したって。』
「私、気にしてません。大丈夫です。」
先生の口から付き合ってた事を聞くのは正直きつい。
早くここから出たい。
「じゃあ私今日は帰ります。明日は作業に集中するので。」
と、私はドアを開けようとした。
『待てって。』
後ろからふわっといつもの柔軟剤の香りがした。
ぎゅっ
「っせんせ…!!」
『なんで。』
「ん?」