先生、好きって言って。
*
体育館裏に着き、段差に腰掛けた。
「僕さ、蘭ちゃんがダンス終わってからどこかに駆け出して行ったからつい気になって後を追ったんだよ。そしたら、見失っちゃってどこかなって探してたら泣きながら走ってた蘭ちゃんを見つけたんだ。」
「そうだったの…。」
でも、今更ながら号泣しながら走ってたのを見られてたのはかなり恥ずかしい。
「それで、何かあった?」
「……うん。あのね、」
と、さっきあった出来事を涼に話した。
「それはきつかったよね、蘭ちゃん。」
よく頑張ったねって頭を優しく撫でてくれた。
そのせいでまた涙が溢れてきた。
「わたし、うぅ……っわたしね、」
「うん、ゆっくりでいいよ。」
「わたし、スペインに行くっ……!」
もう決めた。
絶対行く。
あんなに綺麗な女性に叶うはずもないし、先生は私の事なんて全然恋愛として見てくれてないし。
諦めるためにも私はスペインに行く。
でも卒業するまでは先生の事、好きでいる。
思いも伝えずに、そのままで。