聖女の魔力が使えません!~かわりにおいしい手料理ふるまいます~
*
一方、食堂ではいずみがジョナスやキャサリンの前に、本日の収穫物を広げていた。
「じゃじゃん! 味噌と醤油です!」
「ほう。こいつがかぁ。俺も見るのは初めてなんだ」
ジョナスが味噌をスプーンで取りひとなめする。
「しょっぺえなぁ」
「保存食ですからね。味は濃いです。お肉なんかも味噌に漬け込んでおけば、長持ちしますよ」
「へぇ!」
ジョナスはノリノリになっている。そういった保存法が伝わっていないのは、少しばかり意外な気がした。
ミヤさまは味噌と醤油の作り方は知っていたのに、なぜその活用法を教えなかったのだろう。
いつかオスカー王にでも会えたら聞いてみよう。
「今日作りたいのは生姜焼きです。スタミナが付きますよ。最近、アーレス様もお疲れのようなので、元気になっていただかないと」
ジョナスに頼んでショウガの現物は用意してもらっている。
そして、コメも見つけることができた。どうやら、隣のルブタン国ではコメ文化が発達しているようなのだ。料理法としてはパエリアのような炊き込み料理が主流で、コメをそのままで炊く習慣はないらしい。
ジョナスの御師匠様である料理人が昔作ってくれたのだそう。
ジョナスの伝手をたどって、コメは三十キロ分入手してもらった。
「やっぱり和食には白米だよね」
「せっかく入手したのに、本当にそのまま炊くのかぁ?」
実際まだ不満そうだ。彼らにとっては、コメは外国産の貴重品らしい。
「小麦が育てられる気候ならコメも出来るはずだけどね。和食をはやらせてコメも自国栽培してもらえるようにしたいなぁ」
野望はどんどん広がっていくが、まずは一番近しい人であるアーレスを喜ばせたいのだ。
「さあ、じゃあやりますよ。ジョナスさん、スカーレットさん、よろしくお願いします!」
一方、食堂ではいずみがジョナスやキャサリンの前に、本日の収穫物を広げていた。
「じゃじゃん! 味噌と醤油です!」
「ほう。こいつがかぁ。俺も見るのは初めてなんだ」
ジョナスが味噌をスプーンで取りひとなめする。
「しょっぺえなぁ」
「保存食ですからね。味は濃いです。お肉なんかも味噌に漬け込んでおけば、長持ちしますよ」
「へぇ!」
ジョナスはノリノリになっている。そういった保存法が伝わっていないのは、少しばかり意外な気がした。
ミヤさまは味噌と醤油の作り方は知っていたのに、なぜその活用法を教えなかったのだろう。
いつかオスカー王にでも会えたら聞いてみよう。
「今日作りたいのは生姜焼きです。スタミナが付きますよ。最近、アーレス様もお疲れのようなので、元気になっていただかないと」
ジョナスに頼んでショウガの現物は用意してもらっている。
そして、コメも見つけることができた。どうやら、隣のルブタン国ではコメ文化が発達しているようなのだ。料理法としてはパエリアのような炊き込み料理が主流で、コメをそのままで炊く習慣はないらしい。
ジョナスの御師匠様である料理人が昔作ってくれたのだそう。
ジョナスの伝手をたどって、コメは三十キロ分入手してもらった。
「やっぱり和食には白米だよね」
「せっかく入手したのに、本当にそのまま炊くのかぁ?」
実際まだ不満そうだ。彼らにとっては、コメは外国産の貴重品らしい。
「小麦が育てられる気候ならコメも出来るはずだけどね。和食をはやらせてコメも自国栽培してもらえるようにしたいなぁ」
野望はどんどん広がっていくが、まずは一番近しい人であるアーレスを喜ばせたいのだ。
「さあ、じゃあやりますよ。ジョナスさん、スカーレットさん、よろしくお願いします!」