聖女の魔力が使えません!~かわりにおいしい手料理ふるまいます~
ジョナスに焼いてもらったクッキーのパーツは五つ。
土台となる正方形のクッキーに、二等辺三角形と長方形のクッキーが二つずつ。長方形と二等辺三角形をアイシングを使って張り合わせて、三角屋根のお家をつくる。それを土台のクッキーに固定させれば出来上がりだ。
屋根の一枚だけを残して、封をする前にショコを何個か中に置いておく。
「……ちいせぇ家ですなぁ。馬小屋みてぇだ」
「ひどい、ジョナスさん。可愛いお家でしょう。小人でも住んでそうとか言ってよ。お屋敷のような家なんて作れるわけないじゃない」
たしかに貴族の御屋敷暮らしのみんなから見れば貧相かもしれないが、これはれっきとしたお家なのだ。
「いいわ。こういうものは子供に聞いてみればいいのよ。アメリとハッセを呼んできて」
勉強時間だった子供たちは、奥さまのお呼びでサボれると浮かれた様子で、厨房に顔を出した。
「イズミ様、なーに?」
「アメリ、これを見て。どう?」
「わあ、かわいい!」
アメリの反応はおおむね予想通りだったのだが、ハッセの方はジョナスに似たのか冷たい。
「なにこれ、小屋?」
「小屋じゃないよっ、お菓子の家よ」
「だって色も一色だしどうにも馬小屋っぽいっていうか」
親子揃って同じ発想だった。思わず殺気立つイズミに、割って入ったのが母親のスカーレットだ。
「サイズが分からないのも問題なんじゃないですか? 例えば、クッキーで人形を作ってみれば、誰も馬の小屋だなんて思いませんよ」
「すごい、スカーレットさん、さすが!」
土台となる正方形のクッキーに、二等辺三角形と長方形のクッキーが二つずつ。長方形と二等辺三角形をアイシングを使って張り合わせて、三角屋根のお家をつくる。それを土台のクッキーに固定させれば出来上がりだ。
屋根の一枚だけを残して、封をする前にショコを何個か中に置いておく。
「……ちいせぇ家ですなぁ。馬小屋みてぇだ」
「ひどい、ジョナスさん。可愛いお家でしょう。小人でも住んでそうとか言ってよ。お屋敷のような家なんて作れるわけないじゃない」
たしかに貴族の御屋敷暮らしのみんなから見れば貧相かもしれないが、これはれっきとしたお家なのだ。
「いいわ。こういうものは子供に聞いてみればいいのよ。アメリとハッセを呼んできて」
勉強時間だった子供たちは、奥さまのお呼びでサボれると浮かれた様子で、厨房に顔を出した。
「イズミ様、なーに?」
「アメリ、これを見て。どう?」
「わあ、かわいい!」
アメリの反応はおおむね予想通りだったのだが、ハッセの方はジョナスに似たのか冷たい。
「なにこれ、小屋?」
「小屋じゃないよっ、お菓子の家よ」
「だって色も一色だしどうにも馬小屋っぽいっていうか」
親子揃って同じ発想だった。思わず殺気立つイズミに、割って入ったのが母親のスカーレットだ。
「サイズが分からないのも問題なんじゃないですか? 例えば、クッキーで人形を作ってみれば、誰も馬の小屋だなんて思いませんよ」
「すごい、スカーレットさん、さすが!」