クローゼット番外編～愛する君への贈り物

「久しぶりだなぁ…何年になるかな？」

ここを出てから一度も会ってないのだから、もう十数年ぶりの再会だ。



「本当に久しぶりだ。
エイダン、元気そうだな。」

「まぁな、そういうジョッシュも元気そうじゃないか。
家に明かりが灯ってたから、気になって見に来たんだ。
でも、まさか、おまえが帰って来てるとは…」

田舎では、ちょっとしたこともすぐに話題になる。
特に、エイダンは昔から好奇心旺盛な性格だったから、気になったのだろう。
ここに来たことが、なんとなく気恥ずかしくて、出来ることなら知られたくはなかったが、それは無理というものだ。
それに、旧友のエイダンに会えたことは、やはり懐かしくもあり、嬉しくもあった。



「ジョッシュ、今から俺の家に来ないか？
久しぶりに酒でも飲もう。」

「それはありがたいな。」

エイダンの家はうちから歩いて１０分もかからない。
俺達は、他愛ない会話を交わしながら、エイダンの家を目指した。
ただそれだけのことなのに、酒を飲む前から、俺達はもうずいぶんと気分が高揚していた。