The Last -凶悪-
「・・・あの高校生の【母親】
・・あの不妊治療を頑張った【夫婦】
・・2人とも同い歳だ・・・。」
『2件目はダイレクトにあの妊婦女性を狙ったと思われますが、
1件目の高校生・・硫酸魔の本当の狙いは、
その“母親の幸せ”を壊す事だったのかもしれません。
そしてこの年齢という共通点が、
仮説を導き出した第一歩目です。』
「・・・・・・・・・・。」
『最後に、冬に教えた内容・・』
「・・“被害者”について・・・・。」
『プロジェクタをご覧ください。
彼女たちの戸籍を調べました。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
「・・でもヒデさん・・。
だったら“声”についてはどうなる・・?
確かに山本さんの証言はあやふやだけど、
だからってさすがに声を聞き間違えるなんて・・。」
『お忘れですか?
山本氏が襲われた頃には、
既に硫酸魔には“相棒”がいたんですよ?』
「・・・・・・・・・・。」
『私はあれは“録音”だったと考えています。
これも捜査攪乱が最大の目的でしょう。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・どうしました?』
「あんたが・・味方で良かった・・。
あんたが・・正義側にいてくれて良かったよ・・。」
『・・私の仮説を信じて頂けますか?』
「あんたはいつも俺の事を信じてくれた。
その逆も同じなのは当たり前だろ?」
『ありがとうございます。
ではこれより捜査6課は、
【初代硫酸魔=女性】
と断定して捜査を再開します。』
第8章 完