The Last -凶悪-
「ミドリちゃん・・。」
「うん?」
「・・ミドリちゃんは・・
どうして私なんかと仲良くしてくれるの?」
「・・どうしてそんな事聞くの?」
「だって・・私・・ブスだし・・。」
「こらっ!そんな事言っちゃダメだよ。」
「ううん・・。
リンカに言われてるからじゃなくて・・。
私・・ホントに自分の顔が嫌いで・・。
鏡で見る度に・・本当に嫌で・・。
だからリンカに言われる事にも・・
全然言い返せなくて・・。」
「見た目ってそんなに大事なのかなぁ?」
「・・・・・・。」
「“カワイイ”と“ブス”って、
教科書で決められてる事なのかなぁ?」
「・・・・・。」
「サトミが自分の顔にコンプレックスを持ってたとしても、
私が友達にならない理由とは関係ないでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ちょっと・・明日、
目腫れちゃうから我慢しなさいっ!」
「うん・・ありがとう・・。」
「じゃあおやすみサトミ。」
「おやすみ・・ミドリちゃん・・。」
明日への不安に怯えていたそれまでと違って、穏やかな睡眠を手に入れた夜だった。
翌朝、ミドリちゃんに叩き起こされるまで目が覚めなくて、
結局朝ご飯に2人して遅刻して、
ちょっとだけ先生に叱られた。