The Last -凶悪-


「“俺がやりたかった事はこんな事じゃない”

“俺はこんな事をやる為に世界のTOYOTAに入社したんじゃない”

技術者を希望していた彼は当然こう思って、

周囲に不満を漏らし、やり甲斐なんて感じることなく日々を過ごしてた。」


「・・今の・・私みたいですね・・。」



「テストドライバーとして何年も過ごしたある日、彼に部署異動の辞令が出た。

“ようやくここから抜け出せる”
“ようやく俺は・・”

彼は期待を膨らませてその辞令を読んだ。」


「・・・・・・・・。」


「ところが、
彼の次の異動先は“部品倉庫管理”の部署。

取引先から納入されてくる部品の受け入れ処理をしたり、

TOYOTAの各工場へ出荷処理をしたり・・。


毎日のように運転席に乗り込んでテストドライバーをしていた次は、

毎日のようにフォークリフトに乗って、
納入されてくる部品を仕分けして、

生産ラインからのオーダーに合わせて、部品を取りだして梱包する日々が始まった。」


「・・・・・・・・・・・。」

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