The Last -凶悪-
「ず~っと修学旅行を楽しみにしてた。
その為に準備して、不自然にならないように仲良しを演出して。
ママが通ってた頃からずっ~と格式高さが保たれ続けたこのセイレンに通う、
貧乏家庭のゲロブス女を徹底的に潰すってね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「別にお金はそんなに期待してないよ?
明日からは田中さんっていう新しいオモチャも出来たし。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「でもねサトミ・・あ、間違えたブス美。
5万持って来れないんだったら、
退学届を持ってきてね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「退学届も持って来れないんだったらさっさと死んでね。
あ、でも死ぬんなら首吊りにしてよぉ?
飛び降りられたら、
リンカとの賭けに負けちゃうんだからっ。」
中高一貫の私立 東京セイレン女子校。
高校卒業までの道が約束されたこの学校を、
私は中学2年の冬で退学した。
公立の学校に編入した後も、
結局一日も学校へは行かず、
引きこもったまま義務教育を終えた。
お父さんとお母さんには何も話せなかった。
でも、“無理させてごめんね、よく頑張ったね”
高い学費を払って通わせてくれたのに、
私の事を一切責めずに、
優しく語りかけてくれた言葉に、
私の心の・・最後の一滴が崩壊した。