The Last -凶悪-
「サトミ~。いい加減、男出来たか?」
「この顔にキスしたいと思う男の人なんているんですか?」
「ガハハハ!ちげぇーねぇ。
お前も不運な子だよなぁ。
お母さんに似れば美人だったのに、
まさかハルヒコ君に似ちゃったんだから。」
「・・お父さんは格好良いですよ。
私が悪いんです。」
「サトミちょっと耳貸せ。」
「・・はい。」
「処女膜、破りたいんならうちの若い衆の中から好きな奴選んでいいぞ。
社長命令で俺が拒否させないから。」
「・・・じゃあせめて目隠しはさせてあげてくださいね。」
「ガハハハ!
いやぁ“ハルヒコ君の代わりに働かせてくれ”
ってウチに乗り込んできた時は、
なんて暗くてブスな子だと思ったけど、
立派にクールなブスな子になって良かったよ。」
初めて飲むビール。何の味もしなかった。
見る見るうちに顔が紅くなって呂律がおかしくなった社長さんと、
同じ杯数を飲んだけど、
私には何の変化も無かった。