The Last -凶悪-


「コウスケ・・・コウスケ!」


「・・・・?・・あ、はい。」


「まーた立ったまま寝てたのか君は!」


「・・お・・おぉすみません。」


「こちらのレディからご注文を。

・・ささっ枝松社長どうぞ。」


社長さんはここのお得意様なのか、マスターが笑顔を振りまいてお酒を差し出した。

まるで私の事なんて空気のように、
こちらを向いてくれない代わりに・・


さっきまで仁王立ちしていた人が私の前に。


「何をお飲みになりますか?」


「・・・・・えっと・・・・。」


「・・・・・いや。」


「え・・・。」


仁王立ちさんが手早くコップに氷を入れると、奥にある蛇口をひねった。



「・・相当飲まれたでしょ?
今日はもうお水にしたらいかがですか?」


「・・・・別に大丈夫ですけど。」


「・・・・・・・・・。」


「私も・・社長さんが飲んでるやつください。」


「・・・失礼ですがおいくつですか?」


「20歳です。」


「・・・かしこまりました。

あ、お手洗いはあちらの角を左に曲がったところにあります。」



















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