The Last -凶悪-
「・・枝松社長から聞きましたよ・・。
今日が初めてのお酒だったんですね。」
「・・・・・・・。」
「ご安心ください。社長さんからあなたの家の場所は聞いておきましたので。
閉店までに快方しなかったらおぶってお送りします。」
ブツブツと呟きながら、
ほとんど何を言っているのか聞き取れ・・
「・・・・・・・・・・・え・・?」
次の瞬間、
目が覚めると自分の家に・・
カーテンから朝陽が少し漏れる中・・
自分の部屋のベッドで横になっていた。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
お母さんに事情を聞くと、
“泥酔した私を男の人がおんぶして運んでくれた”と、少し呆れ気味に教えてくれた。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
お母さんがその人にお礼を言ってくれた後、名前を聞いてくれた。
「氷室コウスケです。」
男の人は呟くように覇気の無い声でそう告げたらしい。