The Last -凶悪-
“カラン カラン”
「いらっしゃいませ。」
・・・マスターさんは・・変わってる。
あの時のえびす顔の人じゃなくて・・
白髪にヒゲを蓄えた、
物静かそうな年配男性が私を迎えた。
「お一人様ですか?」
「・・あ・・はい。」
「何にしましょうか?」
「・・オススメを・・。」
「かしこまりました。」
ぼんやりとしか記憶にないけど、
内装もちょっと変わったかな・・。
静かで落ち着いた雰囲気はそのままだったけど、
マスターさんの趣味と思われる絵画や雑貨が所々にディスプレイされて、
より一層オシャレな空間が作ら・・
“カラン カラン”
・・・・・・え・・・・・・・・?
「・・・戻りました・・・・。」
「あ、コウちゃんお帰りなさい。」
「・・マスター・・さすがに豆腐屋はお願いしても開けてくれませんでしたよ。」
「そうかぁ。じゃあスマン。
麻婆豆腐は明日に諦めよう。」
「相変わらず・・賄いにここまでこだわるマスターに仕えるのは初めてですよ。」
「お待たせしました。どうぞ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・お客様?どうされました?」