The Last -凶悪-
――――――
「もしもし、小松です。」
<姐さんおはようございます!>
「鈴木君、今日も中止にするから連絡網回してくれるかな。」
<えー!!ようやく小雨になったんだし今日こそやりましょうよ!>
「濡れた足場で誰かが落ちたらどうするの?」
<・・はーい。>
「夜からは上がるみたいだから、また明日ね。」
<おいっす!>
降り続く雨に・・今日も作業を中止にしてくれた恵みの雨に感謝した。
今の私だったら・・足場が濡れてなくてもフラフラしてしまう。
あの夜の興奮と、あの夜の戸惑い。
表裏一体のように頭に浮かんでは、
私の意識はそちらへ持っていかれる。
普段は見れない朝の情報番組をBGMに、
今日もボ~っと過ごして明日からの仕事に備えよう・・。