The Last -凶悪-
“バンッ!!”
「キャッ!ちょ、ちょっと!」
「サトミ・・俺と結婚しよう。」
「・・・は・・は!?」
「俺はお前が好きだ。」
「!?」
「ようやく巡り会えた。
“理性”の境界線を飛び越えられる人間に。
・・この国にはびこる・・
“幸せ”をぶっ壊す力を持つ人間に・・!」
「・・なにを・・さっきから何を・・
・・・・・・・・ンッ!・・!!!!?」
“サトミ~。いい加減、男出来たか?”
“この顔にキスしたいと思う男の人なんているんですか?”
“ガハハハ!ちげぇーねぇ”
「・・・・・・嫌なら大声を出せ。
ご近所さんが助けに来てくれるぞ?」
「・・・・・・・・・。」
「嫌なら俺の頬を引っぱたけ。
今なら簡単に倒れるぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
玄関。
私の“初めて”は、
玄関からリビングへ続く廊下で行われた。
お互いの吐息が漏れあい、
無我夢中で貪り合った。
ベッド。
初めての“痛み”は、
泣き叫ぶほどのものだった。
だけどそれも、
ご近所さんが来ないようにと口で塞がれ、
終わった後のシーツには、
鮮血の愛情が溢れていた。