The Last -凶悪-


「ウハハ。・・サトミ、
すっかり母性が生まれたのか?」


「・・・・・うん・・・・。
この子には・・真っ当な・・・。」


「俺とお前の血を引く子だ。
この子は必ずや最凶の悪になるぞ!」



「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・?・・どうした?」


「何・・言ってるの・・?」


「何って・・?」


「変な事言わないでよ・・!この子には私達の事なんて何も関係ないでしょ!?」


「・・・・本気で言ってるのか?」


「・・・・・・・。」


「サトミ・・失望させるなよ・・。
お前はその手で、リンカに何をした?」


「・・やめて・・・・・。」


「無かった事に出来ると思ってるのか?

お前は同じ“妊婦”という立場のリンカに何をした?

同じ“母親”という立場のミドリにどんな仕打ちを与えた?

お前はもう・・“普通”じゃないんだぞ?」


「やめてよ!!」


「人間誰にだって、
“殺したい”ほど憎む相手がいる。

“いなくなればどれだけ楽になるか”
と恨む相手がいる。

だけどそう思う“だけ”で、
大多数の人間は終わるんだよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「大多数の人間は、
必ず最後には“理性”が本能に勝つ。

だからこの国の治安は良くて、大なり小なりの幸せがはびこってるんだよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「だけど希に・・
それを凌駕する人間が現れる。

激しい本能が理性を上回り、
越えられない一線を飛び越えられる・・

お前のような人間が!」


「イヤッ!!聞きたくない!」


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