The Last -凶悪-
『堺班長から私に直接連絡がありました。』
秋の裁判騒動の流れで、堺さんにも捜査6課の存在を打ち明けていた。
2代目硫酸魔を追っている、
その堺班から連絡って・・・・
「・・・・・まさか・・・?」
『4人目の被害者が出たそうです。』
「!?」
『硫酸が使われている点から、
まず間違いないでしょう。』
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
『神野くん、もうこれ以上・・』
「・・・・・またか・・・。」
『・・・気持ちは皆同じです。
君一人が抱え込む必要はありません。』
「・・・・・畜生・・・
・・・・畜生!!!!!!」
・・・・・・・・また・・・・・・
また・・・・また俺は・・・!!!
“神野、カリナさんが自殺したのは俺達のせいだって思ってるのか?”
“1人目の訴えを所轄がもっと真剣に聞いていたら2人目は生まれなかった。
2人目が出た時に俺たち捜査1課へ協力要請していれば3人目は生まれなかった。
3人目が出た時・・・
俺達がもっと早く柏原を挙げてたら・・
カリナさんが被害に遭う事はなかった・・・違いますか?”
頭の中に、あの時の記憶が蘇る。
連続犯を止められないとどうなるか・・
俺達の働き次第で・・
傷つく必要の無かったものが・・!!
冷静さを取り戻す為に、
物に当たらずにはいられなかった。
椅子には悪かったが、腹の底から湧き出る怒りを込めて蹴っ飛ばす。