The Last -凶悪-
『分かりました。
ではカメラをその付近に隠せますか?』
「・・・?」
『店の出入り口は私が見張っておきます。
君は一旦、家に帰って私服に着替えて下さい。』
「別にスーツのままでも“刑事臭”は消せるぞ?」
『お忘れですか?
君は下手をしたら、指名手配犯よりも都内に住む方々に顔が割れてるんですよ?』
「・・あ!コンビニのポスター・・。」
『これを機に広報部の方々に言っておきます。
いい加減、新しい振り込め詐欺撲滅ポスターを作成するように。』
「分かった。一回家に帰って、
できる限りの変装をします。」
『警戒されるかもしれないので、
トランシーバーとカメラは店内に持ち込まないようお願いします。
その代わり・・・。』
「・・・探偵七つ道具ですか?」
『はい。今パソコンからデータを同期させました。何かあったら使ってください。』
普段使ってる、
トランシーバーとポケットカメラ。
夏に使った水鉄砲。
秋に使ったGPS付き盗聴器。
冬に使ったウソ発見器。
家に帰ると、私服に着替えながら・・
1課にいた頃、潜入捜査の時に使ったつけヒゲとカツラを引っ張り出しながら・・。
最後にヒデさんに言われた通り、
6個目の探偵七つ道具をポケットに入れて再びBarへ急いだ。