The Last -凶悪-
「お父さん聞いてる!?」
「・・・うん・・・うん?」
「いま絶対ボ~っとしてたでしょ?」
リビングの椅子に座って、
隣の妻と・・目の前の娘と・・
その隣に座る、娘が連れてきた大野君の視線を一斉に浴びる。
「うん・・ちゃんと聞いてたよ。」
「じゃあ許してくれる?」
「・・?・・なにを?」
「やっぱ聞いてないじゃん!!
・・テル君、頑張ってもう1回。」
「お・・・おおお父様。
ぼ・・僕達の結婚を・・お・・お認め頂けますでしょうか・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
“・・・パパ・・”
“パパ~かたぐるま~!”
“ルミね~大きくなったらパパと結婚するの!”
“お父さん休み取ってくれたの!?
どうだった最後のリレー!
私、足速いでしょ~?”
“はいっお父さんバレンタイン!
いつもお仕事お疲れ様。
・・あ、彼氏用に作った端っこの余りだけどねぇ~。”
“だってお父さんほとんど家にいなかったでしょ?
でもなんだかんだで、学校行事の時はいつも休み取って見に来てくれたし・・。
だから・・反抗期なんてくる暇なかったよ”
「お父さん。
私、テル君と結婚したいです。」
「・・・ルミが選んだ人だったら・・
反対する理由は無いかな・・。」
「あ、ありがとうございます!!!!」
「ありがとー。」