The Last -凶悪-


「申し訳ございませんでした。」


「・・・?」


「椎名を止められなかった責任は全て私にあります。

結局・・氷室ミライ=硫酸魔という証拠は掴めませんでした。

結果的に無実の都民を撃ち殺した刑事・・

その上司として私も責任を負うつもりです。」


「・・・まさか・・・・。」


「刑事部長としての職は降ろされるでしょうね。」


「そんな・・・・。」


「あ、高山君の事はどうか許してあげてください。

彼も班長命令には背けられなかったんでしょう。

捜査を外された椎名に頼まれて、
捜査情報を横流ししていたようです。」


「・・・・・はい・・。」


「最後に、刑事部長として君に辞令を言い渡したい。よろしいですか?」


「・・・?・・・・・辞令・・?」



「神野シン。

来月1日付けを以て、
警視庁刑事部 捜査1課へ異動とする。」



「!!!!!!!?」


「・・ハハッ。正式には明日、広報部長から言われると思いますが、

どうしても私の口から伝えたかった。」


「俺が・・1課に・・・?
ホントですか・・?」


「今の1課には空きがありませんでした。

しかし・・椎名が抜けたので、
1人補充が必要になりましたからね。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「ヒデ君にお礼するのを忘れないように。」


「え・・・・・。」


「発作を押し殺し、動悸を抑え込み、

私と共にひたすら頭を下げ続けてくれました。

厳しい査問に耐え、君の異動許可を勝ち取れたのは全てヒデ君のおかげです。」


「・・・・ヒデさんが・・・・?
・・俺の為に・・・?」




「・・こら!病院内は走・・ハハッ・・相変わらず君は足が速いな・・神野・・。」





















< 213 / 218 >

この作品をシェア

pagetop