The Last -凶悪-
「申し訳ございませんでした。」
「・・・?」
「椎名を止められなかった責任は全て私にあります。
結局・・氷室ミライ=硫酸魔という証拠は掴めませんでした。
結果的に無実の都民を撃ち殺した刑事・・
その上司として私も責任を負うつもりです。」
「・・・まさか・・・・。」
「刑事部長としての職は降ろされるでしょうね。」
「そんな・・・・。」
「あ、高山君の事はどうか許してあげてください。
彼も班長命令には背けられなかったんでしょう。
捜査を外された椎名に頼まれて、
捜査情報を横流ししていたようです。」
「・・・・・はい・・。」
「最後に、刑事部長として君に辞令を言い渡したい。よろしいですか?」
「・・・?・・・・・辞令・・?」
「神野シン。
来月1日付けを以て、
警視庁刑事部 捜査1課へ異動とする。」
「!!!!!!!?」
「・・ハハッ。正式には明日、広報部長から言われると思いますが、
どうしても私の口から伝えたかった。」
「俺が・・1課に・・・?
ホントですか・・?」
「今の1課には空きがありませんでした。
しかし・・椎名が抜けたので、
1人補充が必要になりましたからね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ヒデ君にお礼するのを忘れないように。」
「え・・・・・。」
「発作を押し殺し、動悸を抑え込み、
私と共にひたすら頭を下げ続けてくれました。
厳しい査問に耐え、君の異動許可を勝ち取れたのは全てヒデ君のおかげです。」
「・・・・ヒデさんが・・・・?
・・俺の為に・・・?」
「・・こら!病院内は走・・ハハッ・・相変わらず君は足が速いな・・神野・・。」