The Last -凶悪-
安楽椅子刑事 月本 ヒデトシ
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“ガチャリ!!”
『・・?』
「・・ハァハァ・・ハァハァ・・。」
『どうしたんですかそんなに慌てて?』
「平松刑事部長から・・聞きました。」
『おめでとうございます。』
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・・・・・。』
「あんたが・・口を利いてくれたって。」
『・・・・・・・。』
「・・・・・・・・・・・・・・。」
『君には才能があります。それが上層部の方々に認められただけですよ。』
「・・・・・・・・・・・・。」
『もし仮に、椎名班長が氷室ミライを撃たなかったら・・
いずれ彼には、君が手錠をかけていたと確信しています。』
「ヒデさん・・言葉が出ねぇよ・・。」
『・・・・・・。』
「あんた・・俺がいなくてやってけるのかよ・・?
部屋から一歩も出ないくせに・・
大丈夫なのかよ・・?」
『ご心配には及びません。』
「・・・・・・。」
『綾瀬さんが育休から復帰するまで・・
どーにかやります。』
「結局・・探偵七つ道具の・・
あのワケの分からん見た目の、7個目は何に使う道具だったんだ・・?」
『あれの使い方を教えるのは、日本にテロが発生した超緊急事態の時だけです。
神野くんに教える日が来なくて何よりで・・
復帰後の綾瀬さんにも教えない日が続くことを祈っています。』
「別れの挨拶はしねぇぞ・・。」
『はい。立場は違えど、
私達はこれからも仲間ですから。』
「・・・・でも・・・・・。」
『・・・・・・・・・・。』
「お礼はちゃんと言わせてくれ・・。」
『・・・・・・。』
「・・・月本警部・・・
ありがとうございました・・!!」