The Last -凶悪-
「椎名君。」
「・・はい?」
「・・・ところで、
“椎名班”の人手は足りてますか?」
「・・・はい。今の人員で十分遂行出来ていますが・・?」
「・・そうですか。」
「・・何か?」
「いえ、大丈夫です。」
もう一度、上司にあたる平松刑事部長にお辞儀をして部屋を出た。
娘の結婚を報告した後、
溜まりに溜まっていた調書の点検・承認作業に入ろうと1課へと戻る。
「椎名班長、聞きましたよ!
ルミちゃんおめでとうございます。」
席に座るなり、私の班の部下 高山がまた新たな調書を持ってきた。
「お前は相変わらず耳が早いなぁ・・。
ありがとう。」
「椎名班きっての情報担当を舐めないでくださいよ。それでいつ結婚式ですか?」
「こらこら気が早い。
それはまだ先の話だよ。」