The Last -凶悪-
「次はぜってぇ負けないですよ。」
『すみませんが今日はこの辺りで終わりましょう。』
「・・?」
『少し出掛けます。』
「また病院ですか?」
『はい。』
「最近・・なんかやたらと病院行ってるけど大丈夫ですか?」
『それなりに大丈夫ですよ。』
「発作が起きてる感じ?」
『ご心配ありがとうございます。
ただ、痛くもかゆくもありません。』
「だったらいいけど・・。」
『帰りは遅くなりますので、
定時になったら先に上がって下さい。
戸締まりだけ忘れないように。』
「了解。」
『では行って・・・・』
「あ!!」
『なんですか?』
「あんたまさか・・病院ってのは嘘で、
ホントはあの美人看護師さんと密会してるだけじゃねぇだろうな?」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「・・・・・?」
『半分正解で、半分不正解です。』
“どっちが正解なんだ”って聞く前に、
ヒデさんは手を上げて部屋を出て行った。