The Last -凶悪-


時が経つのは早いもので・・俺が捜査6課に来てから1年以上が過ぎていた。


・・・いややっぱり、1課にいた頃に比べると時の流れは遅く感じたかな・・。


毎日のように走り回っていたあの頃と比べてやっぱり、

“どうでもいいヤマ”を中心に、たまに舞い込んでくるホントの“広報部の仕事”をこなす、

ここ6課での日々はどこかスローペースに感じる。


まともなヤマは昨年冬の滋賀以来きてないし・・。



「・・・・・・・・・・・・・。」


滋賀のDV事件を解決して以来、
ずっと俺の心境は強く大きく揺れていた。


あの時、同時進行で追いかけてようやく最後には腕に収まった、

マダムの飼い猫ビワリーが、

[神野・・。その脚力、ワイらを捕まえるだけに使ってたら勿体ないで?]

って視線を送ってくれた気もしたし・・




「・・・・・・・・・・・・。」


春に出会った鉄警の小川さん。

夏に出会った群馬の文太のジジイ。



秋にその姿を追想した神奈川の東条警部、

スマホの電話帳に入ってる一番のビッグネームとなった新谷 刑事本部長。



冬に出会ったポーカーフェイス小泉と・・
名前忘れたけど、あのチャラ男。



現場で生きるその人達と関わる度、

それぞれの持ち場で活力に満ちあふれ、

活きた目をするその人達と一緒に捜査をする度・・・

俺の中で沸々と強い想いがかき立てられた。


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