The Last -凶悪-
『神野くんを・・捜査1課に戻して頂けないでしょうか?』
「・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・・・・。』
「・・・堺ちゃんが事あるごとに神野の復帰を私に懇願してきました。
それから監察管理官の奥村も・・
春に解決した盗撮事件。
夏に暴いた死体遺棄事件。
そして秋に一大騒動を巻き起こした誘拐事件。
滋賀県警の改革に多大な影響を与えた冬のDV事件。
これらの神野の活躍を評価して、
私に1課への復帰を促してきました。」
『・・・・・・・・。』
「しかし、私はそれを断ってきた。」
『・・・・・・・・・・・・・・。』
「【ヒデトシが“神野の復帰”を頼んでくるまで、その時は来ない】
私の心内で決めていた事です。」
『・・・恐れ入ります。』
「神野はもう大丈夫ですか?」
『私から彼に教えられる事は全て教えました。
神野くんはもうただの血の気の多い熱血漢ではありません。
冷静に物事を見定め、与えられた情報を一つ一つ組み立てる力を身につけ・・
それだけでなく、
彼の真骨頂でもある“刑事の勘”はより研ぎ澄まされるようになりました。』
「・・・・・・・・・。」