The Last -凶悪-


―――――― 


“カラン カラン”


ミライさんの後ろについて、
細くて暗い路地裏の中に入って・・


こんな所知らないと絶対迷う・・!ってぐらい、こじんまりしたBarに辿り着いた。


「・・いらっしゃいませ・・・。」


「よっ。」


「・・女の子連れてくるとは・・
明日は雪ですか・・?」


扉を開けた先、グラスを拭いていたバーテンダーのお兄さんは、

ちょっとだけ覇気が無い・・。


ミライさんがニコニコしてる分、より対照的にそのテンションの低さが際立っていた。


「マユちゃん、紹介するね。

父さんの知り合いの知り合いの、
そのまた知り合いの息子の松阪君。」


「・・はじめまして・・松阪です。」



「え~っと・・要するに、
ミライさんの知り合いっていう事ですか?」


「そういう事。

松阪、こちら幸寿苑の後輩のマユちゃん。

いずれ日本一のプランナーになる子だから覚えといて。」


“もうやめてくださいよ~!!”
とミライさんの肩をバンバン叩きながら、

松阪さんにご挨拶した所で、ミライさんがいつも頼んでるカクテルを私も頂く。


< 37 / 218 >

この作品をシェア

pagetop