The Last -凶悪-
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“カラン カラン”
ミライさんの後ろについて、
細くて暗い路地裏の中に入って・・
こんな所知らないと絶対迷う・・!ってぐらい、こじんまりしたBarに辿り着いた。
「・・いらっしゃいませ・・・。」
「よっ。」
「・・女の子連れてくるとは・・
明日は雪ですか・・?」
扉を開けた先、グラスを拭いていたバーテンダーのお兄さんは、
ちょっとだけ覇気が無い・・。
ミライさんがニコニコしてる分、より対照的にそのテンションの低さが際立っていた。
「マユちゃん、紹介するね。
父さんの知り合いの知り合いの、
そのまた知り合いの息子の松阪君。」
「・・はじめまして・・松阪です。」
「え~っと・・要するに、
ミライさんの知り合いっていう事ですか?」
「そういう事。
松阪、こちら幸寿苑の後輩のマユちゃん。
いずれ日本一のプランナーになる子だから覚えといて。」
“もうやめてくださいよ~!!”
とミライさんの肩をバンバン叩きながら、
松阪さんにご挨拶した所で、ミライさんがいつも頼んでるカクテルを私も頂く。