The Last -凶悪-


『それに・・教えただけではありません。

私も神野くんからたくさんの事を学びました。

刑事として生きる強さ。
刑事として生きる喜び。
正義という名の信念。

神野くんは私の下でくすぶっている場合ではありません。

・・・彼が生きるべき道は1課です。』


「ヒデ君にそこまで言わせるとは・・。

やはり私の見立ては間違っていなかったという事ですね。」


『お願いします平松刑事部長。

私の全てを賭けてでも、
この“義”は通させて頂けませんか?』


「分かりました。神野の捜査1課復帰に向けて動きましょう。」


『・・・・・ありがとうございます。』



「覚悟は出来ていますか?

神野は柏原事件を経て一度“左遷”された男。

さすがにこればかりは私の裁量だけで決められる事ではありません。


ヒデ君には奥村監察管理官を初めとする監察課の連中だけでなく、

この警視庁を司るトップの人間達との聴聞会にも出席して、

“後見人”として私と共に神野の復帰を訴えてもらいます。」


『・・・・・・・・・・・。』


「治療は良好と言えども・・

大勢の人間の前で、
厳しい詰問に耐えて頂く事になりますよ?」


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