The Last -凶悪-
朝、ちょっとズキズキする頭痛で目が覚めると、
着てた服そのままに部屋のベッドで横になっていた。
“マユちゃんへ
さすがに無施錠で帰るわけには行かなかったので、鍵掛けた後に郵便受けから入れておきました。
多分玄関に転がってるから、
無くしたと勘違いしないようにね。”
テーブルにミライさんからの置き手紙があったので、
その通りに、
靴の間に落ちてた家の鍵を拾って・・
“P.S. 免許証確認させてもらったついでに、
俺と松阪から、ささやかなお祝いを入れておきました。
来週からまた頑張ろうね。”
「・・・・・・・・?」
財布の中を開けると、
小銭入れが少しだけ膨らんでいた。
「・・・ミライさん・・(*’-‘)・・。」
シルバーで小ぶりで・・
とっても可愛いくて・・
これぐらいなら付けてても違和感無いかな。
「・・・・・・・・・・・・。」
・・うん、来週に向けて・・
これが映える・・ちょっと背伸びしたスーツをちゃんと新調してこよう。
財布から取り出したブローチを大事に机の上に置いて、
シャワーを浴びにお風呂場へ向かった。
第3章 完