The Last -凶悪-
――――――
「お父さんお帰りー。」
「・・・・ルミ・・。
まだ起きてたのか?」
「明日は有給だから平気平気~。」
「お母さんは?」
「さっきまで頑張って起きてて、
お父さんの晩酌まで待ってたけど、
耐えきれずにもう寝ちゃったよ。」
「そうか・・。
“待たなくていい”って結婚した時からずっと言ってるんだけどなぁ。」
「今日は私が晩酌付き合ってあげるよ!」
「・・・どういう風の吹き回しだルミ?」
「じゃーーん!見てこれ!」
「・・・幸寿苑 ―夢現mugen―・・。
カッコいい名前じゃないか。
ここがこの前ルミが言ってた都内No.1の式場か?」
「明日、テル君と二人で行ってくるね!」
「ここなら盛大にみんながルミの結婚を祝ってくれそうだね。」
「でしょ~?
・・・・それでねお父さん。」
「うん?」
「勿論、私とテル君で精一杯出すつもりなんだけど・・・・。」
「・・・・・なるほど・・・。」
「・・・・・・。」
「安心しなさい。
ルミが産まれた時からお母さんと協力してず~っと溜めてた口座があるから。
お金の事は心配しなくて良し。」
「ありがと~!!
じゃあ早くお風呂入ってきてよ!
今日は一緒に飲も!」
「うん分かった。すぐ入ってくる。」
第4章 完