Seven Days Story 〜あなたの好きな人が Ⅱ 〜
突然ですが、今、私はどこにいるかと言いますと、彼と一緒に図書館にいます。
何故かって?
それは…


「ここがxだったらここも接弦定理によってxになるだろ?」
『…?ん?』
「だから、ほら、ここが接線。」
『んーと、あ!!そういうことか!!』


私が苦手 of 苦手な数学を教えてと彼に頼み、図書館で教えてくれることになったのだ。
彼は理系のため数学が得意で、なんでも学年の中でもトップレベルらしい。
そんな彼に教えてもらっているのだが、さっきから色んな箇所でつまずいてばっかり。
思うようにテスト対策が進まない。
わざわざ来てもらっているのに、申し訳無い。


「……?ほんとに分かったの?」


そんなことを考えていたら彼が私の顔の前でひらひらと手を振っていた。


『ん…あぁ、分かってる分かってる!』


私は理解していることを示すように目を参考書に向け、着々と問題を進めていった。

❧数分後
……は?
どういうこと、これ?
問題番号を書いて、そこから全く手が進まない。
彼の方を見ると、稀に見る眼鏡をかけて、なんやらよく分からない本を読んでいた。
その姿に少しの間見惚れる。
…カッコいいなぁ……。
モテそうな人。
というか、現にモテている人。
なんでそんな人が私を彼女にしたのだろうか。
不安だ…

…って私、なんか不安になり過ぎな気がするのだが。

すると、彼が本から目を離してこちらを向いてきた。
私はあの考えている間、ずっと彼をまじまじと見つめていた訳だから、急いで参考書に目線を落とした。


「…何?」


ビクッと肩が揺れた。


『いっ…いや〜、別に〜』


私は彼と目線を合わさないよう、よく分からない方向を見ていた。
すると彼は少し目線を下にするとそのまま本を閉じ、少しこちらによってきた。
え〜…何何何何何?




「これはね、まずここをxと置いてみて。」


………へ?

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