Seven Days Story 〜あなたの好きな人が Ⅱ 〜
__“今日”という日は、なんと素晴らしいものなのだろうか。
1年に1度、いや一生に一度だ。
世界にたった一度だけ。
幸せ…苦しみ…悲しみ…喜びに満ちている、この、世界に。
そんな“今日”を私は過ごす。








………な〜んていう今日の現文の授業で出てきた文は置いといて。
ナニコレ?
ポエム?
まぁいいや。
それより、今日は彼の誕生日。
私は今日をいまかいまかと待っていた。
ちゃんと、誕プレも買って、既にここにある。
男子が欲しいものが買う時は全く分からなかった。
でも、この前、新しいイヤホンが欲しいって言っていたから彼が好きそうなちょっと高めのやつ(折角だしね)を買っておいた。
手紙も添えておいた。
どうだろうか。
彼は喜んでくれるのだろうか。


キーンコーンカーンコーン


授業終了のチャイムがなる。
お互いに部活を終え、いつもの待ち合わせ場所である下駄箱に誕プレを持って待っていた。


『おっ、おかえり!』
「おまたせ、行こう。」


そう言って歩き出す彼。
あっ、ちょっと!
誕プレ!
私は急いで『ちょっと待って』と彼を引き止める。


『改めて!誕生日、おめでとう!』


そのお祝いの言葉と共にイヤホンの入った小さな袋を渡す。
彼は「朝も祝ってくれたのに笑」と少し微笑みながら私の差し出した袋を受け取った。


「開けていい?」
『どうぞ!もちろん!』


彼は袋の中のラッピングされたもののリボンを解いてゆく。
喜んでくれるかな…?
あれで良かったかな…?
既に新しいの買ってたらどうしよう…。
彼は袋の中身を見ると「おおっ」と言いながらイヤホンを取り出した。


『どう?この前イヤホン欲しいって言ってたから…。』

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