夏に溶けて、死んじゃえばよかった。



「空、真っ青」

「そうだね」

「空は何色かって言って、ケンカしたよな」

「したね」

「……」

「……」



美術部の私たち。空の色のことで大ゲンカしたこともあるし、何度だって重ねて、言い争いをたやすことなく、毎日部活に打ち込んでいた。



「夏、終わったな」

「うん」

「夏が始まる前に、戻りてぇな」

「……うん」



ワシャワシャ。彼が、私の服の袖をつかんで、



左右に揺らした。


< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop