夏に溶けて、死んじゃえばよかった。
「空、真っ青」
「そうだね」
「空は何色かって言って、ケンカしたよな」
「したね」
「……」
「……」
美術部の私たち。空の色のことで大ゲンカしたこともあるし、何度だって重ねて、言い争いをたやすことなく、毎日部活に打ち込んでいた。
「夏、終わったな」
「うん」
「夏が始まる前に、戻りてぇな」
「……うん」
ワシャワシャ。彼が、私の服の袖をつかんで、
左右に揺らした。