あなたの愛に包まれて
病院で処置を受ける間も千晃は痛そうなそぶりすら見せない。
「相当痛いはずですが、こうして無反応なのが気になります。心療内科か神経内科を受診されるべきでは?」
医師からの言葉に秘書はおおごとにしてはならないという千晃の父の指示に返事ができなかった。

千晃は剣持のことを考えていた。
自分のために一生懸命尽くしてくれた剣持の人生が自分のせいでくるってしまった。
いっそ自分を殴ってくれたらいいのに・・・。

一番守りたい人も守れない自分がほかの誰かを守れるわけがない。

きっと匡祐のことも自分は守れない・・・。



会いたいな・・・でも

会ったらいけない・・・
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