あなたの愛に包まれて
処置を終えた千晃は自分の会社に戻った。
剣持の姿が目に浮かぶ。

真っ暗になった自分の部屋の電気もつけず窓の外の景色をただじっと見つめていた。


この暗闇の中で見えるのはもうあなただけ・・・。




あなたの光が消えないように、私ができることはあなたの心から消えることだけ・・・。

どうかあなただけでも光のあふれる世界で願いを叶えて自由に羽ばたいてほしい・・・。


そう願いながら自分は真っ暗な世界から抜け出せないことを知り、千晃はただ暗闇の中で街頭の明かりを見つめた。
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