あなたの愛に包まれて
二人は匡祐の部屋でゆっくりと過ごした。

匡祐が千晃のためにと作ってくれた食事はフレンチトースト。
得意料理だと匡祐は手際よく作る。

千晃がベッドから出ようとすると匡祐は千晃を抱き上げてソファへ運んだ。

医師からは千晃の状況について匡祐は詳しく配慮事項を聞いている。

まだ感覚刺激に対して、千晃はかなり鈍い。
医師は精神的なショックや過労と睡眠不足が原因の一過性のものであると判断した。

千晃がまずはゆっくりと体を休めること、そして安心して過ごせるように気持ちに寄り添うことが一番の治療だといわれている。

鎮痛剤を使用していない千晃。本当ならば足のやけどもはがれた爪の状態も、眠ることもできないほどの痛みを感じてもおかしくはない。
< 152 / 270 >

この作品をシェア

pagetop