あなたの愛に包まれて
匡祐は話し合いの後に力の施設に立ち寄った。

いつものように自分を笑顔で迎え入れてくれる力。
その純粋さに匡祐はいつも救われる思いだった。

母を助けたい一心で福山財閥に後継者として入った匡祐。
父からの仕打ちに心が折れそうになる時も、自分の心が真っ黒になりそうなときも、力の存在が自分を助けてくれた。

心の闇に落ちそうなとき、力が光をくれた。

匡祐は力がいつものようにちぎり絵をしている姿を見つめていた。
ふと力は匡祐を見て匡祐がお土産で渡した和紙を差し出す。
「ん?」
匡祐が手を出すと力がその和紙を匡祐の手に渡した。
「くれるのか?」
「うん!」
力が匡祐に渡したのは淡い黄色の和紙だった。
「力の好きな色だろ?」
匡祐が力に声をかけると力は笑顔で頷く。
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