あなたの愛に包まれて
「おかえりなさい！」
千晃が匡祐がドアを開けるとその前で待っていた。
「ただいま」
千晃の乗る車いすの後ろには剣持がフリフリの白いエプロンをしている。
その姿に匡祐が思わず吹き出して笑うと剣持が耳まで赤く染めながら「あまり見ないでください」と目をそらした。
「どうしたんですか？」
こらえきれず声を震わせて言う匡祐に千晃が答える。
「剣持さんは料理がとても上手で、今、特製のスープを作ってくれているんです。」
千晃の表情に笑顔が戻っている。
顔色も少しは良くなっているように感じた。

匡祐は笑顔の千晃の頬に触れて千晃の前にしゃがんだ。
「体調は？」
「すごくいいです。」
「敬語じゃなくていい。」
匡祐の言葉に千晃は「うん・・・」とはにかみ答えた。
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