あなたの愛に包まれて
「おいしい。」
こういって微笑む千晃を見て剣持は心が痛んだ。
剣持がうまく笑顔を返せずにいると匡祐が微笑んで答える。
「本当にプロになれますよ。な、そう思うよな？」
匡祐の言葉に千晃が微笑む。
「ね！本当においしい。」
剣持はやっと微笑みを千晃に返せた。

剣持は匡祐の住んでいる部屋と同じフロアにある来客専用の宿泊部屋に泊まっていた。

食事が済むと剣持はそのフロアへ移動した。

匡祐の部屋には千晃と匡祐の二人になる。

千晃はソファに座り、匡祐に足の包帯を交換してもらっていた。
クリームを塗り新しい包帯に巻きなおす。

赤みは引いてきているが、ところどころ皮膚が剥けていた。やけどの手当てが終わると今度は足の爪の手当てをする匡祐。
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