あなたの愛に包まれて
匡祐は福山の情報を共有する条件の一つとして剣持の復職をあげていた。
千晃は喜び、仕事への情熱も取り戻していた。

「寒くない?」
「大丈夫。」
匡祐は千晃の肩に触れる。
「冷たい。」
季節は冬。
千晃はけがこそ少し後が残る程度だが、感覚に関してはまだ完治とまではいっていない。
近くにいる匡祐や剣持が千晃の感覚をフォローしている。

匡祐は千晃の肩を自分の手で包み込んだ。
「あったかい」
千晃がそう言って微笑む。
匡祐はこの幸せな時間が長く続けばいいと思っていた。

「今日の結婚式の打ち合わせは剣持さんも同行してくれるの。座席の最終確認のチェックをしてもらおうと思って。」
「そっか。剣持さんに任せれば安心だな。うちは助川さんに同行してもらうよ」
「うん」
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