あなたの愛に包まれて
「寒くありませんか?」
剣持も千晃の感覚を常にフォローしてくれている。
「大丈夫です。」
千晃は厚手のコートに身を包み剣持の用意した一日の会議の内容をタブレットで確認していた。

「もう、春の用意ですね。」
ここのところ千晃の仕事は春の新作や新企画の会議が多い。
「そうですね」
「出かけたいな」
「たとえば?」
剣持とは以前よりも会話が増えた。

「例えば、お花を見に行きたいです。色とりどりの花。」
「匡祐様のご兄弟と?」
「はい。お義母様も。」
「そうですね。」
そんな会話をしていると千晃の代表を務めるアパレルブランドの本社についた。
「今日も、戦いますか」
「はい」
剣持と千晃はお互いに気合を入れて車から降りた。
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