あなたの愛に包まれて
匡祐は千晃との新居を構えるにあたって準備していることがあった。
それは母と力も一緒に暮らせるように、医療ケアができる設備や力が必要なサービスを自宅で受けられるような環境にすることだった。

建築士を仕事の合間に呼びその準備をしていた。

千晃もこの件には快く協力してくれている。

匡祐は仕事の合間に自分の薬指を見る。
そこには千晃とおそろいの結婚指輪が輝いていた。

その指輪を見るだけでひとりではないことを実感する。
また頑張ろうという気持ちになれる。

同じころ、会議の合間に千晃は自分の薬指の指輪に触れていた。
小さく深呼吸をする。その空気の冷たさに自分の感覚があることを実感する。

再び色づいた世界の中心には匡祐がいる。
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