あなたの愛に包まれて
「今日だけな」
と匡祐が許可し、千晃は力を抱きしめた。
その温かさに家族のぬくもりを感じる。
千晃の瞳から再び涙があふれた。

これから家族になっていく。
自分のずっと探していたものが見つかったように感じていた。

「匡祐」
その声に匡祐が振り向く。
匡祐の母が立ち上がっていた。
「匡祐」
すぐに匡祐は母を支えた。
「こんなに大きくなって。」
母は匡祐の足の先から頭の先までじっと見た。
「もう立派な大人ね。」
「あぁ。母さんのおかげでこんなに大きくなったよ。」
匡祐の母は瞳から涙をこぼした。
そんな母に匡祐の目も赤くなる。
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