あなたの愛に包まれて

「お嬢様」
部屋がノックされてそこから剣持が現れる。
「本日のご予定は・・・」
剣持が一日のスケジュールを読み上げ終えると千晃は剣持に話しかけた。
「今日は行きたいところがあります。」
「力さんのところですね」
その言葉に千晃は微笑んだ。



千晃は会議の合間に力のもとへ向かった。
運転手が小高い丘の入り口で車を停める。
剣持が後部座席の扉を開けると黒い服に着替えた千晃が車を降りた。
その手には花束。
「ここで待っていてください。」
「はい。承知いたしました。」
千晃は剣持にそう告げると背中を向けて歩き出した。