あなたの愛に包まれて
千晃は匡祐の居場所を知ってからも、毎日自分の仕事と向き合った。

自分の部屋でちぎり絵を見たり、窓から見える景色を見つめることは変わらない。

それでも匡祐の居場所が分からなかった時よりも表情が前に戻ったような気が剣持にはしていた。


「お嬢様、今日は午後から桐生財閥の幹部との食事会です。」
「はい」
気が重い内容の業務にも千晃はいつも逃げずに立ち向かう。
「お着換えを済まされましたら会場へ向かいましょう。」
「わかりました。」
千晃は部下が用意した服に着替えを済ませて剣持と会場へ向かった。

「今日はこちらのビルの最上階のレストランでの食事会となります。」
「はい」
千晃は車を降りると剣持のあとをついてビルへ向かった。
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